契約農家さんインタビュー第5回~森いちご農園さん

当店と森いちご農園さんのご縁


当店のとちおとめパンケーキ&フルーツサンド。どちらもいちごは欠かせません。

当店にいちごを供給して下さっているのは、大田原市の森いちご農園さん。大田原市郊外の周りを田園に囲まれたのどかな地域に位置しています。

森さんのイチゴは、甘さと味の濃厚さが売りです。この濃厚さが当店のパンケーキやフルーツサンドと相性が良いのです。

甘さと濃厚さの秘密を知りたい!ということで、インタビューを申し込み、快諾していただいたのが、森 武寛(もりたけひろ)さん。

森いちご農園さんがイチゴ栽培を始めたのは、2000年から。武寛さんのお父さんが始めました。

武寛さんは農学部のある大学でイチゴについて研究し、その後も栃木農業大学校未来塾いちごコースを専攻するなどとても勉強熱心です。

2018年から就農し、家族で経営をされています。

今回のインタビューでは、甘くて濃厚なイチゴを作るために日々こだわっていること、新たに取り組んでいる事などについてお話いただきました。

当店と森いちご農園さんのご縁

実は、武寛さんから当店にメールをいただいたのがきっかけです。

当店のSNSやブログなどを見ていただき、イチゴを結構使っているというところから「営業」していただきました。

当時使用していたイチゴは大田原産ではなかったのですが、実際に武寛さんとお会いして話を聞いて、森いちご農園さんにお世話になることに決めたのです。

決め手は、武寛さんのイチゴ作りに対する熱意です。

若さと情熱。素敵ですね!

この人の作るイチゴならば、是非当店のお客様にも食べていただきたいと。


※森いちご農園さんから納品直後のとちおとめ

美味しいいちごは土作りから

ーーーイチゴ農家さんが一番忙しいのはいつですか?

「あえて言うならば、9月ですね。それまでに育てた苗を定植と言ってハウス内に地植えする時期なんです。」

いちご農家さんがイチゴを出荷する時期は11月下旬~5月下旬まで。当然この時期が最も忙しいという答えかと予想していたが、意外な答えが。

更に、イチゴ農家さんは1年を通じて暇な時期はほぼないそうです。

重要な土作り作業

3月からは苗作りが始まります。その苗を作る前には重要な作業が。

それが土(畑)作り。

雑草を取り除き、土を耕し、肥料を与える。

毎年、土壌の成分分析を欠かさないそうです。その分析結果を元に、今年はどんな肥料をどのくらい撒くのかを決める、と。

土も生き物。当然ながら、毎年土壌の成分は変わるのだとか。

今の土の状態がどうなっているのか?をまず知ることから、目標とする美味しいイチゴ作りは始まります。

苗を育てるための土の成分までこだわっているとは!「良い作物は良い畑から」ですね。

赤ちゃんを育てるような苗作り

3月から苗作りが始まります。この苗を育てる段階はかなり気を使うそうです。

この苗の生育が美味しいイチゴが収穫できるかどうかに直結してきます。

子供で言うと赤ちゃん。まだまだ弱い苗ですから、細かく観察して大切に育てます。具体的には、朝7時に水やり、昼にも水やり、夕方に肥料を与えるという感じです。

こうして育てた苗は、9月になると「定植」といってハウス内に植え込みます。

定植できると苗は強くなるので、「とりあえずは一安心」となるということです。


※ハウス内に定植された苗

自然・害虫との闘い

日射量

昨年2019年は、武寛さん曰く、「10年に1回あるかないかの日射量(=太陽の光)が不足の年でした。」

イチゴにとって十分な日射量は必要不可欠です。太陽の光が無いと光合成が出来なくなり、生育に多大な悪い影響を及ぼします。

太陽が出ないということは人間にはどうにもならないことですが、昨年~今年も自分たちが出来る事(例えば、ハウス内の温度管理や口述する病害虫対策など)をやりきった結果、納得できるイチゴを出荷することが出来ているとのこと。

病害虫対策

イチゴ栽培で一番多い害虫被害は、ハダニ。病気はうどんこ病という病気。

ハダニは、ダニの一種。肉眼では確認しにくい小さい虫で、気が付いた時にはいちごの生育が衰えていることがある。ひどくなると、くもの巣が張ったような状況になり防除は非常に困難になる。

うどん病とは、葉裏にうどんこをまぶしたような白いカビが見える病気で、症状が進むと葉がスプーン状に巻き、多くの葉や果実に白いカビが見られるようになります。

果実に発生すると、果面が傷みやすくなり商品価値がゼロに。未熟な果実に発生すると、肥大が悪くなり、薬剤で防除しても果面が汚れる。成熟しても果色が悪くなり、味が低下する。こちらももちろん、商品価値はゼロとなってしまいます。

病害虫が発生すると、当然ながら経済的な被害はかなり大きいようです。

減農薬にこだわり

こういった病害虫を防ぐために農薬は欠かせないものだが、森いちご農園さんではできる限り農薬を使わない「減農薬」にこだわっているそうです。

その有効な対策として、紫外線照射ランプを導入しています。

このランプから出る紫外線が、ハダニの卵が孵化する確率を激減させ、うどんこ病の発生確率も激減させています。


※森いちご農園さんの紫外線照射ランプ

導入コストは高いが、実際にハダニの抑制やうどんこ病の抑制に大きな効果を出しているとのこと。

このランプに加えて、必要最低限の農薬を使用することで病害虫対策を行っているのです。

そして武寛さんの挑戦はこれだけではありません。次をご覧下さい。

より良い生産への挑戦

Iotシステムの導入

私が最も感心したのは、このシステムです。

簡潔に言いますと、ビニールハウス内の気温・湿度・CO2濃度・地面の温度を24時間常に監視しているシステムです。

今までは人の感覚に頼って作業をしていたものを、数値化・データ化して誰にでも見えるようにしたのです。

イチゴは、凍るほどの寒さが続くと凍害を起こします。暑すぎも悪影響で、30℃以上になると生育が抑制され、35℃以上では果実の奇形が発生する可能性があります。また、根を浅く張るため乾燥に弱く、土壌水分の安定が不可欠。イチゴは「水が大好き」な植物なんです。

このシステムは、常時ハウス内を監視していて、事前に設定した温度や湿度から上がりすぎたり下がりすぎたりした場合には、お知らせメールをお届けしてくれるのです。

こちらも導入にはかなりのコストがかかったそうですが、高品質で安定したイチゴ栽培には重要なシステムだということです。

肥料へのこだわり

有機質肥料として利用価値の高い豚ふんを加えているそうです。

豚ふんは近年注目されている肥料の一つで、天然資源です。

愛知県豊橋市では環境にやさしい農業の推進に、サクランボの名産地・山形県のサクランボ農家さんでも使われていたりしています。

豚ふんという言葉だけ聞くと、臭い・汚いというイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれませんが、完全に発酵・熟成させた豚ふん堆肥は、さらさらしてイヤな臭いがしません。それが“完熟”の証拠だそうで、臭わないし、キレイなんです。

日々、最も気を付けていることは何ですか?

という私の質問に武寛さんは、「自分のイチゴの生育の質に合わせてよく観察することが非常に重要です」との回答。

「観察力」が非常に重要だという。

確かにそれは、今まで話していただいた内容ともマッチする。

土作りから始まり、苗を育てる、病害虫対策、ハウス内の見える化、どれも観察力がなければ上手くいくはずがない。

一般的なマニュアルは通用しないからだ。土の成分は隣同士でも違うし、毎年変わる。苗の生育も毎年同じなはずがない。病害虫だっていつ発生するかは誰も分からない。

自分の農園のイチゴを日々しっかりと観察していなけば、臨機応変な対応などできないだろう。

ーーー創業者であるお父さんと衝突することはないんですか?

新しいことにどんどん取り組んでいく武寛さん。そこで、こんな質問をしてみた。

武寛さんは、「もちろん、意見の違いで衝突することは時々ありますが、問題なく良い関係を気付けていると思います。」と回答してくれました。

お父さんも新しいことを取り入れることに抵抗は少ないのだとか。イチゴにとって良いと判断すれば取り入れるという柔軟な姿勢があるようです。

武寛さんが日々観察していて分からない事があればお父さんに意見を求めることもよくある、と。

お父さんが今まで培ってきた経験+武寛さんの新しい挑戦が上手くかみ合っているようです。

編集後記・まとめ

キレイに整頓されたハウス内

取材中、ハウス内を案内してもらいました。

私の第一印象は、隅々まで整頓が行き届き、とてもキレイ!本当にキレイでした。

この日はかなり寒くてブルブルと震えるほどでしたが、ハウス内の室温は20℃に保たれて快適そのもの。

森いちご農園さんの様々なこだわりはこのハウス内を見れば納得です。ここが森いちご農園さんの全てを表現した仕事場です。

イチゴたちが快適な環境下で元気にスクスクと育っているように見えました(笑)。

イチゴだって劣悪な環境だったら元気に育ちませんよね。

取材の最後に、武寛さんはこんなことを話して下さいました。

「傷んだイチゴは当然出荷はできないんですが、極力、廃棄というロスをなくしたいんです。」

そのために、出荷できないイチゴはジャムにする取り組みを始めているとか。

私からはこんな提案も。

「キズがついて出荷できないイチゴで、食べて問題ないものはアウトレット品として当店のお客様に安く提案できないでしょうか?小さなお子様がいるお客様も多いですし、子供はイチゴ大好きですよね。」

武寛さんは、「いいですね。やりましょう!」と即答でした。

「甘くて濃厚なおいしいイチゴを作る。」

すべてはこの目標達成のために良いものを取り入れ、日々注意深くイチゴたちを観察する。客観的な数値と経験を元に改善すべきことは臨機応変に対応する。

私たちのビジネスにも通じる極意の一端を今回も教えていただきました。

こんな努力家の生産者さんと取引できることは非常にありがたいことです。今後も是非、美味しいイチゴを作り続けていただきたいですね。


いつもありがとうございます。

森いちご農園さんのホームページはこちらです。どうぞご覧になって下さい。

長文を最後まで御覧いただき、ありがとうございます。

 

 

 




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